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誰もが分かる笑い目指して 子どもからお年寄りまで―志村けんさん

1970年代の日本のお笑いをリードした「8時だョ!全員集合」でお茶の間を爆笑の渦に巻き込んで以来、約半世紀にわたってお笑いの最前線で活躍し続けた志村けんさん。理想としたのは、みんなが一緒に楽しめる分かりやすい笑いだった。

 

「若い子だけに受けて年配の人には分からない笑いは好きじゃない。いろんな人が同時に同じ空間で笑えるという幸せな空間がほしいだけ」
志村さんは、2006年旗揚げの「志村けん一座」による舞台シリーズ「志村魂(しむらこん)」が初の全国公演を行うことになった時、こう語っていた。
人気キャラクターの「バカ殿様」などのコントのほか、昭和を代表する喜劇役者、藤山寛美さんが残した松竹新喜劇の名作などで構成した。「寛美さんのお芝居は前から好きだった。今も通じる人間の良さを出せる。殺伐とした嫌な世の中だから、舞台を見ている時だけでも、人を大事にするのはいいことだなと思ってもらえれば」と話していた。

厳格な小学校教師だった父親への反発から笑いの道を志した志村さん。テレビのバラエティー番組などでのイメージとは違う、真面目でシャイな素顔が印象的だったが、爆笑コントから人情喜劇まで、目指した笑いは子どもからお年寄りにまでファンを広げた。
志村さんの笑いは緻密に計算して練り上げるもの。舞台の公開収録だった「8時だョ!全員集合」も、台本に基づく稽古の繰り返しに裏付けられていた。だからこそ、「お金と時間のかかるコントをやらなくなり、稽古もしないでフリートークで番組を作っちゃう」と最近のテレビ界に厳しい目を向けた。

「やっぱり、お客さんの生の反応の方が張り合いがあるし、やり直しのきかない緊張感と興奮が舞台にはあります」。原点にこだわり続けたコメディアンとしての誇りが垣間見えた一瞬だった。(時事通信社文化特信部編集委員・中村正子)。

Via
JIJI.com
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